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「図説 浮世絵に見る色と模様」 河出書房
当然のことながら、浮世絵は江戸時代のきものの宝庫。
それらを解説とともにたっぷり見せてくれる「図説 浮世絵に見る色と模様」は、
開くたびに新たな発見のある楽しい本です。
特に江戸中期以降の浮世絵は文様の洪水といってもいいくらい。
表着(うわぎ)、襦袢、帯、冬ともなれば中着(あいぎ)にまで、
それぞれ文様が織り出されたり、染められたり、縫いとられたりしています。
いくつもの柄を合わせて着るわけですから、現代の感覚からすれば あまりにもトゥーマッチな着こなしですが、
それが一つにまとまるところがきものの不思議さです。
現代では襦袢の柄は、袂からちょっと覗くぐらいですが、 浮世絵では襦袢も襟元から結構はっきり見えるように描いてあります。
描画上の誇張なのか、本当にあんなにぐずぐずに着ていたのか、なんとも不思議。
しかし、洋服の生活で育った今の私たちの感覚で浮世絵を見るから、 違和感を抱くだけなのかもしれません。
実際、幕末に撮られた写真を見ると、
きものの前合わせが限りなくみぞおちに近かったりします。
帯も帯揚げも今のようにきれいに決めるという感覚ではなかったようです。
浮世絵はその時代の最先端のファッションを表したものが多く、
呉服店とタイアップした半広告のようなものまであります。
浮世絵にある色合わせ、柄合わせは、 今日の私たちにも何かしらヒントをくれるかもしれません。
そうなると細部までじっくり見てみたくなります。
本の図版は大きさに制限がありますし、半分はモノクロの図版なので、
ちょっと物足りないなと思い、ネットで探してみました。
東京都立図書館のデータベース
東京国立博物館の名品ギャラリー
国立国会図書館デジタル化資料
神奈川県立歴史博物館 画像で見る歴史と文化
上記4件は、「図説 浮世絵に見る色と模様」に載っている浮世絵の一部を ウェブ上で閲覧できます。
神奈川県立歴史博物館以外は大きく拡大して見ることができるので、 細部を見たい方にはお勧めです。
またe国宝では、本ではモノクロだったのもがカラーで見られます。
本の解説とウェブの画像を組み合わせて見るのも楽しいですよ。
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やた
10
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