ブルータス 「小津の入り口。」
マガジンハウス

マガジンハウスの「ブルータス」。男性誌ですが、たまに買います。
その時々の特集によって、ついつい買っちゃう女子も多いのではないでしょうか?
11月15日号の特集は「小津の入り口。
言わずと知れた小津安二郎ですね。。
思わず手に取ってパラパラめくり、探したのは浦野理一の名前。
ありましたよ。見開きで「着物」のページが。買うしかないでしょう。

7人の女優さんが6本の映画の中で着たきものが8通り
写真よりも分かりやすくイラストで載っています。
もちろん、きものの雰囲気をつかむには映画を観るしかないのだけど
なんだかワクワクするのは、それが浦野理一のきものや帯だと分かっているから。
私などが言うまでもなく、浦野理一の名前はきもの好きの憧れですもんね。
今やリサイクルで彼のきものが出ることは少なく、早い者勝ちのようです。
いつまであるか分からないけど、例えばこんなのです。

子どものころに母がとっていた「ミセス」には浦野理一のきものの連載があり
猪熊弦一郎のおもちゃの連載とともに、毎月楽しみにしていました。
浦野理一とは何者なのか、そのころは知らなかったんですけどね。

それにしても小津映画の女優さんたちのきもの姿は
ふだんきもののお手本のようですね。
縞や格子が多く、それを赤や濃い色の無地帯が引き立てる。
華美ではないけれど、存在感がある。
センスが良く、モダンだけれども、今見ると懐かしい昭和の味わいがある。
小津映画をもっときちんと観たい(特にきものをじっくりと)。
そんな気持ちになります。

小津映画と言えば、笠智衆ですが、
実は私、接近遭遇したことがあるんです。
電車の中で前の席に映画の中そのままの佇まいで座ってました。
ピケ帽というのかな、木綿の帽子に薄いクリーム色のジャンパー、淡い色のズボン。
質素という以外に言葉が見つからないほど、パリッとしてなかった(笑)。
膝の上に台本を広げて、生真面目な様子で読んだり、宙を見つめたり。
「誠実」という言葉が服を着て座っている、そんな印象でした。

ブルータスの「小津の入り口。」には「女優」のページもあって、
今は名前を聞くこともなくなったけど、
飯田蝶子、東山千栄子、知ってる私は古いなと苦笑い。
「お早よう」の三宅邦子と「お茶漬けの味」の木暮実千代、
対照的だけど、どっちも好きだなあなんて思ってます。

やた

12