晩秋の聴秋閣
三溪園に移設された名建築の中でも、個人的に愛してやまない聴秋閣。
公開といっても、建物内に入れるわけではありませんが(なんったって重文です)、
この建物は、1623年に京都の二条城内に徳川家光によって建てられ、 もともと池に面して建てられたものだそうで、三溪園でもせせらぎに沿って配置されています。 ふだんは見られない、この角度から見ると、そうとう変則的な形をしていることが分かります。 聴秋閣の脇から続く散策路も、ふだんは非公開。せせらぎに沿って登ってみます。 鮮やかなモミジとクマザサ。流れに散るモミジ。留袖の柄にありそう。 坂を上り切って、上から眺める聴秋閣。その名にふさわしく、秋の彩りに包まれています。 木の間から見る第二層の白い障子にモミジが映えます。 どの角度から見ても、惚れぼれするのは私だけじゃないはず(と、勝手に思っています)。
聴秋閣と一緒なら、花のない山吹にも風情を感じます。 文・写真/八谷浩美 09 December 2015
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