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1 白地象花唐草文様更紗 長崎 江戸後期
実際の象を見て描いた文様でしょう。
象の体毛や皺などよほど気になったと思われます。
リアルすぎて文様としては、やり過ぎ感があります。
正面向きというのも難しい構図に挑戦したものです。
長崎更紗の特徴を出している図柄と色調といえます。
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2A 増補華布便覧「人形手」 安永10年(1781)
和更紗の指南書に初めて登場した象柄です。
インドから渡ってきた更紗に描かれた
象文様を見て書いたものと思われます。
人物が描かれたものを文様では「人形手」といいます。
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2B 白地人形手文様更紗 江戸後期
象がほんのわずかしか見えませんが
『華布便覧』に影響されて作られた文様でしょう。
異国情緒に憧れて、インド更紗の面白い部分を取り入れた 江戸時代の更紗です。
端布になってしまい、象の下半分が見られないのが残念です。
右側にはインド人らしき人物が半分見られます。
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3 茶地象牡丹文様更紗 長崎 江戸後期
全体は約50㎝四方の風呂敷状の木綿布です。
中央に象が組み込まれています。
この象も比較的写実な表現になっています。
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4 黒地象雨龍文様更紗 大正
明治から大正時代になると
このように単純化された文様が多くなります。
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5 白地紅毛人鳥獣文様更紗 江戸後期
絵柄の密度が大変濃い文様です。
人間の多さ、動物の種類の多さ、
陰影を付けたような色使い。
和更紗のなかでも最も質の良い文様構成でしょう。
異人さんたちの顔の表情まで良くとらえられています。
象が笑顔に見えるように、ほほえましい光景です。
技法的には白い部分など、
どのような方法を使ったのか不明な点もあります。
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